量子コンピュータ

Googleが量子超越を達成 -新たな時代の幕開けへ(後編)

前編では、量子超越性実証の概要と意義に触れた。後編では、Google が具体的にどのように量子超越性を示したかについて解説し、量子超越性実証後の次なるマイルストーンがどのようなものになるか考察する。 Googleによる量子超越の解説動画 量子超越性実証のアプローチ:ランダム量子回路サンプリング Googleの研究チームが量子超越性を示すために考えた巧妙な問題設定は、「ランダム量子回路サンプリング」と呼ばれる計算タスクである。(Google AI Blog

  • Tennin Yan
    Tennin Yan
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量子コンピュータ

Googleが量子超越を達成 -新たな時代の幕開けへ(前編)

2019年10月23日、Googleが量子超越を実現したという論文を公開し、量子コンピュータの歴史に新たな1ページが刻まれた。 「量子超越」は、量子コンピュータの歴史における大きな一歩である。Googleの研究チームは、最速のスーパーコンピュータを使っても1万年かかる問題を、Googleの53量子ビット(qubit)の量子コンピュータは10億倍速い、200秒で解けることを示したという。 今後、Googleが示した量子超越性に対して様々な角度から検証がなされていくだろう。量子超越性は、

  • Yoshi-aki Shimada
  • Qmedia編集部
    Qmedia編集部
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量子コンピュータ

イオントラップの原理と冷却イオン量子ビット

図 1. リニアイオントラップ中に捕獲された8個の40Ca+イオン こちらは、リニアイオントラップ中に捕獲された40Ca+イオンの写真である。特定の波長のレーザーを当てると、その光をイオンが吸収し、さらに自然放出によって光を放出する。それを高感度なカメラで撮像することで、このように光り輝くイオンの写真を撮ることができる。  これらのイオンは超高真空内で捕獲されており、外界とは孤立した状態にある。また、

  • Ryutaro Ohira
    Ryutaro Ohira
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量子コンピュータ

“研究室発ベンチャー”の強みとは?「量子コンピュータ」「量子アニーリング」に取り組む2社が見据える、社会実装への道のり

近年、「量子コンピュータ」「量子アニーリング」という言葉をよく聞くようになった。 しかし、マーケティング目的のキャッチフレーズだけが先行している印象も受ける。 「量子コンピュータ」「量子アニーリング」は、いかなるポテンシャルを秘めた技術で、社会実装はどの程度進んでいるのか。本記事では、量子アニーリングを活用し、企業活動における最適化問題の解決に取り組む株式会社Jijの代表・山城悠氏と、

  • Qmedia編集部
    Qmedia編集部
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量子コンピュータ

量子コンピューターの “よくある誤解” Top10

量子コンピューターは量子力学の原理を利用して計算を行う次世代コンピューターで、多くの国の政府が重点分野に指定、IT企業も開発競争に参入し、近年日本でも関心が高まっています。5年くらい前には「量子コンピューター」の文字を、毎日のようにニュースやウェブの記事などで目にすることになろうとは「思ってもいなかった」というのが正直なところです[1, 2]。 さて一方で、量子コンピューターに関する誤解も多く見受けられます。量子コンピューターは量子力学の原理を利用して計算を行う次世代コンピューターですが、

  • Yoshi-aki Shimada
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量子コンピュータ

量子コンピュータを実現するハードウェア(後編)

さて、前回の記事では量子コンピュータを実現するための要件をリストアップした。この記事では、量子コンピュータを実現するハードウェアを紹介していこう。 ほとんどの量子デバイスが格闘しているのは、デコヒーレンスの問題だ。前回の記事で提示したように、量子計算を行うにはデコヒーレンスを十分に抑えることが前提条件となる。 また、デコヒーレンスの他にも、量子コンピュータは前回の記事で紹介した「要件」をクリアしなければならない。また、各物理系にとって得意なことや現状不得意なことがある。

  • Yu Yamashiro
    Yu Yamashiro
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量子コンピュータ

量子コンピュータを実現するハードウェア(前編)

現在、企業も含めた世界中の研究グループが量子コンピュータの実現に向けての研究を行っており、様々な物理システム(ハードウェア)で開発が進められている。 しかし、どの技術が最終的に成功するのかは明らかではない。 ここでは、量子コンピュータを実現するいくつかのハードウェア候補とそのハードウェアを研究・開発している企業、研究グループを紹介していく。 その前に量子コンピュータとそれを実現するハードウェアへの理解を深めるために、量子コンピュータに求められる要素について整理していこう。 量子コンピュータの重要な要素として「デコヒーレンス」

  • Yu Yamashiro
    Yu Yamashiro
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量子コンピュータ

加速する超伝導量子コンピュータ開発: 量子コンピュータ工学の創生

今回は、JST ERATO中村巨視的量子機械プロジェクト内のグループリーダーとして超伝導量子コンピュータの開発を進める田渕豊氏(量子コンピュータはじめましたで量子コンピュータの作り方も紹介している)に現場の研究者視点から話を聞いた。 DRAMと超電導量子ビット 超伝導量子ビットの説明の前に通常の我々のコンピュータ上でどのようにビット(以降、量子ビットと区別するために古典ビットと呼ぶことにする)が物理的に表現されているか見てみよう。我々のコンピュータ上の情報の保持はDRAM(動的ランダムアクセスメモリ)が担っている。電源をオフにしても情報を保持できるハードディスクドライブと異なり、DRAMはCPUが行う計算のための作業領域として情報の保持に使われる。

  • Keisuke Fujii
    Keisuke Fujii
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量子コンピュータ

量子コンピュータの現在とこれから

「50~100qubitある量子コンピュータは今日の古典コンピュータの性能を上回るかもしれない」 - NASAの研究所で行われたQ2B Conferenceでカリフォルニア工科大学のJohn Preskillはそう唱えた。 ただ、彼はそれに「しかしながら、量子にあるノイズにより、信頼可能な計算をするために量子回路のサイズを制限せざるを得ない」と付け加えた。これがどういう意味か解き明かして行こう。 量子コンピュータとは そもそも量子コンピュータとは何者なのか。

  • Tennin Yan
    Tennin Yan
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量子コンピュータ

量子コンピュータの挑戦: スーパーコンピュータに勝てるだろうか?

Google、IBM、Intel、そして Microsoftといった巨大IT企業たちが量子コンピュータの開発に熱心になっている。それは量子コンピュータが従来のコンピュータよりも圧倒的な速度で計算を行うことができると期待されているからである。 特に最近では、さまざまな種類の"量子"コンピュータもしくは量子力学から着想を得た専用マシンが登場してきている。しばしば、スーパーコンピュータの〜〜倍速いという言葉でそれらのマシンの性能が謳われたりすることをよく耳にする。

  • Keisuke Fujii
    Keisuke Fujii
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