量子コンピュータ

イオントラップの原理と冷却イオン量子ビット

図 1. リニアイオントラップ中に捕獲された8個の40Ca+イオン こちらは、リニアイオントラップ中に捕獲された40Ca+イオンの写真である。特定の波長のレーザーを当てると、その光をイオンが吸収し、さらに自然放出によって光を放出する。それを高感度なカメラで撮像することで、このように光り輝くイオンの写真を撮ることができる。  これらのイオンは超高真空内で捕獲されており、外界とは孤立した状態にある。また、

  • Ryutaro Ohira
    Ryutaro Ohira
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量子コンピュータ

量子コンピュータを実現するハードウェア(後編)

さて、前回の記事では量子コンピュータを実現するための要件をリストアップした。この記事では、量子コンピュータを実現するハードウェアを紹介していこう。 ほとんどの量子デバイスが格闘しているのは、デコヒーレンスの問題だ。前回の記事で提示したように、量子計算を行うにはデコヒーレンスを十分に抑えることが前提条件となる。 また、デコヒーレンスの他にも、量子コンピュータは前回の記事で紹介した「要件」をクリアしなければならない。また、各物理系にとって得意なことや現状不得意なことがある。

  • Yu Yamashiro
    Yu Yamashiro
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量子コンピュータ

量子コンピュータを実現するハードウェア(前編)

現在、企業も含めた世界中の研究グループが量子コンピュータの実現に向けての研究を行っており、様々な物理システム(ハードウェア)で開発が進められている。 しかし、どの技術が最終的に成功するのかは明らかではない。 ここでは、量子コンピュータを実現するいくつかのハードウェア候補とそのハードウェアを研究・開発している企業、研究グループを紹介していく。 その前に量子コンピュータとそれを実現するハードウェアへの理解を深めるために、量子コンピュータに求められる要素について整理していこう。 量子コンピュータの重要な要素として「デコヒーレンス」

  • Yu Yamashiro
    Yu Yamashiro
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量子コンピュータ

加速する超伝導量子コンピュータ開発: 量子コンピュータ工学の創生

今回は、JST ERATO中村巨視的量子機械プロジェクト内のグループリーダーとして超伝導量子コンピュータの開発を進める田渕豊氏(量子コンピュータはじめましたで量子コンピュータの作り方も紹介している)に現場の研究者視点から話を聞いた。 DRAMと超電導量子ビット 超伝導量子ビットの説明の前に通常の我々のコンピュータ上でどのようにビット(以降、量子ビットと区別するために古典ビットと呼ぶことにする)が物理的に表現されているか見てみよう。我々のコンピュータ上の情報の保持はDRAM(動的ランダムアクセスメモリ)が担っている。電源をオフにしても情報を保持できるハードディスクドライブと異なり、DRAMはCPUが行う計算のための作業領域として情報の保持に使われる。

  • Keisuke Fujii
    Keisuke Fujii
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